万博に行けなかった人にも、行った人にも、2026年4月13日は特別な日になった。
万博協会が開幕1周年のこの日、**「いつでもどこでも 大阪・関西万博 “360° View”」**を公開した。会場全域と全パビリオンを12K・8Kの超高精細で収録した、完全無料のバーチャルアーカイブだ。
閉幕から半年。もうあの場所に戻れないと諦めていた人に、朗報がある。この360° Viewは単なる写真集ではない。フロアをクリックして自由に移動でき、パビリオン入口のアイコンをタップすれば内部の360度映像が再生される。自分の足で歩くように会場を回れる。
スマホ、PC、VRゴーグルのどれでも無料で使えて、アプリのダウンロードも不要。この記事では公式情報を一次ソースで確認した上で、使い方・見どころ・VR設定・制作背景まで、1記事で全部わかるようにまとめた。
公式ページ(万博協会): https://www.expo2025.or.jp/vr_expo/
公式プレスリリース: 2026年4月13日付ニュース
「360° View」とは何か — 3行でわかる概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | いつでもどこでも 大阪・関西万博 “360° View” |
| 公開日 | 2026年4月13日(開幕1周年) |
| 運営 | 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 |
| 制作協力 | 株式会社360Channel(コロプラ子会社) |
| 収録スポット | 107カ所(全パビリオン内部) / 938スポット(会場全域) |
| 画質 | 12K静止画(外観) / 8K動画(内部) |
| 料金 | 完全無料 |
| アプリ | ダウンロード不要(Webブラウザで即再生) |
| 公式URL | expo2025.or.jp/vr_expo |
| ダイジェスト動画 | YouTube |
平たく言えば、Googleストリートビューの万博版だ。ただし画質と没入感が桁違いで、パビリオン内部にも入れる。
なぜこれがすごいのか — 他のアーカイブと決定的に違う3点
1. 「閉館時ではなく稼働時」の状態で撮影されている
閉幕後に撮影された空っぽのパビリオンではない。ライティング・ディスプレイ・展示演出が全て稼働している状態で、12Kカメラによる撮影が行われた。つまり、実際に入場した来場者が見ていたのとほぼ同じ映像が残っている。
これは360Channelが万博協会とコロプラ側で調整し、各パビリオン運営者の協力を得て実現したもので、閉幕後には絶対に再現できない内容だ。
2. 「動画を見る」のではなく「歩いて回る」体験
他のVRコンテンツとの最大の違いは、自分で移動ルートを選べること。会場マップ上のアイコンをクリックすると、その場所の360度ビューに瞬間移動する。パビリオン入口にある別アイコンをクリックすると、今度は内部の360度動画に切り替わる。
実際の来場時と違うのは、「行列がない」「営業時間の制限がない」「予約も抽選もない」こと。大屋根リングを起点に好きな順番で回れる。
3. 全パビリオンを網羅した「完全アーカイブ」
107カ所の内部撮影は、パビリオンごとに単独申請して許諾を取ったもので、万博史上でも前例のない規模の空間アーカイブと360Channelが公式コメントしている。
中には閉幕後すでに解体された建造物も含まれており、物理的にもう存在しないパビリオンも360° Viewなら永久に歩き回れる。万博パビリオンのその後(解体・移設・保存の全記録)と読み比べると、「あのパビリオンはもう現存しないのか」という気づきが立体的に理解できる。
使い方 — 3分で始めるステップ
ステップ1: 公式サイトにアクセス
スマホでもPCでもタブレットでも、ブラウザで以下を開くだけ。
https://www.expo2025.or.jp/vr_expo/
万博公式サイトのトップにある「Enjoy the Expo」メニューのバナーからも入れる。
ステップ2: スタートボタンをタップ
ブラウザ版はログイン不要・会員登録なし。スタートをタップすると、大屋根リング周辺のビューからスタートする。
ステップ3: フロアのアイコンをタップして移動
床面に散らばっているアイコンが、移動可能なスポットの目印。タップするとその場所に瞬間移動する。
パビリオン入口の特別アイコンをタップすると、内部の360度動画が再生される。ここが白眉のポイント。
ステップ4: 指・マウスで視点操作
- スマホ: 指でドラッグして視点を回転
- PC: マウスドラッグで視点を回転、スクロールでズーム
- VRゴーグル: 頭を動かして視点、コントローラーで移動
対応デバイス一覧 — どれで見るのが一番綺麗か
| デバイス | 体験品質 | 推奨度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| デスクトップPC | ★★★★★ | 最推奨 | 12K画質を100%活かせる。大画面モニター+マウス操作が最高体験 |
| VRゴーグル(Quest 3等) | ★★★★★ | 没入派に最推奨 | コントローラー操作が必須。紙製Google Cardboardは非対応 |
| タブレット | ★★★★☆ | 推奨 | iPad Pro等は画面も広く快適 |
| スマートフォン | ★★★☆☆ | 手軽 | 画面小さいが通勤中でも手軽に回れる |
| YouTubeアプリ(VR用) | ★★★★☆ | VR入門用 | ダイジェスト動画をYouTube VRで視聴可能 |
VRゴーグルで見る場合の注意点: 紙製ハコスコやGoogle Cardboard等、「コントローラーを持たずにスマホを入れるだけ」の簡易ゴーグルは非対応。Meta Quest、PICO、Valve Index等のコントローラー付きHMDが必要。
使用通信量の目安
8K動画再生中は通信量がかなり大きい。Wi-Fi接続推奨。モバイル回線で1時間回ると2〜4GB消費する可能性がある。
見どころスポット10選 — 全107カ所から厳選
閉幕済みで物理アクセスできないパビリオンのうち、特に再訪する価値が高いスポットを厳選した。
| # | スポット | おすすめ理由 |
|---|---|---|
| 1 | 大屋根リング最上部 | 会場全体を俯瞰。開幕時ニュースで何度も映った象徴 |
| 2 | パナソニック館 内部 | 子ども向け展示の「未来の学校」。稼働中の演出が完全に残っている |
| 3 | シグネチャーパビリオン「null2」 | ミラーファサードの内部。物理的に再現不可 |
| 4 | NTT館 | IOWN技術のバーチャル展示は360°ビューと相性抜群 |
| 5 | コモンズ館 | 発展途上国の小規模パビリオンが集合。個別に回ると時間がかかった場所を一気に |
| 6 | ウォータープラザ | 噴水ショーの時間帯を撮影した貴重映像 |
| 7 | サウジアラビア館 | 来場時は2時間待ちだった人気パビリオンの内部 |
| 8 | 日本館 | 循環型社会がテーマの展示構成が完全アーカイブ化 |
| 9 | フランス館 | 建築自体の美しさが12K画質で堪能できる |
| 10 | EXPOホール「シャインハット」 | 各種イベントが行われた中央ホール |
上記以外にも97スポットが収録されている。時間制限なしで何度でも回れるので、来場時に行列で諦めたパビリオンを優先的に回るのがおすすめ。
制作背景 — 「12K・107カ所」はどうやって撮影したか
制作協力は株式会社360Channel(東京都渋谷区)。コロプラの子会社で、法人向けVRコンテンツ制作では国内最大手の1つだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会場外観 | 12K超高精細静止画 |
| パビリオン内部 | 8K 360度動画 |
| 撮影手法 | 各パビリオン運営者と個別調整の上、稼働時に撮影 |
| 撮影期間 | 非公表(会期中) |
| 公式コメント | 「会場全域・全パビリオンを含む107カ所という前例のない規模の空間アーカイブ」(360Channel代表 小松慶史氏) |
360Channelは今後、Gaussian Splatting(3DGS)技術を使った次世代デジタルアーカイブ化と、同社の空間体験プラットフォーム「360maps」との統合を進める計画も公表している。つまり、この360° Viewが進化版にアップグレードされる可能性もある。
こんな人におすすめ
1. 万博に行けなかった人
海外在住、長期療養中、受験・仕事で行けなかった、予約抽選に外れ続けた。理由は人それぞれだけど、行かなかった後悔をアーカイブで取り返せる。しかも無料。
2. 一度しか行けなかった人
「日帰り1回で全部は回れなかった」が大多数の人の感想だった。行列で諦めたパビリオンを全部回れる第二の機会。
3. 教育現場で使いたい人
小中高の授業で「万博とは何だったか」を教える際の素材として最適。VRゴーグルなしでもPC大画面で没入体験ができる。
4. 海外の万博ファン
日本語だけでなく、視覚情報主体のコンテンツなので言語の壁が低い。海外への共有で日本の文化発信にも寄与する。
5. 万博閉幕ロス中の人
万博2025振り返り総まとめと合わせて、あの6か月の記憶を定期的に蘇らせるメンテナンスに。
よくある質問
Q1. 料金はかかりますか?
A. 完全無料。会員登録もなし。ただし通信量は視聴者負担。
Q2. いつまで公開されますか?
A. 公開終了日は現時点で発表されていない。ただし「レガシーをつなぐ」という制作目的から、長期公開が想定される。
Q3. VRゴーグルがないと楽しめないですか?
A. PC・スマホのブラウザで十分楽しめる。VRゴーグルは「より没入したい場合の選択肢」。
Q4. 古いパソコンでも動きますか?
A. ブラウザが動けば基本OK。ただし8K動画の再生には安定したWi-Fi接続が必要。
Q5. 子どもに見せても大丈夫?
A. 内容は全年齢対象。ただしVRゴーグルは13歳未満には推奨されない(メーカー基準)。PCやスマホ視聴を推奨。
Q6. スクリーンショット・録画は可能?
A. 個人利用の範囲で視聴画面のスクショは可能(OS標準機能)。商用利用・再配布は万博協会の許諾が必要。
Q7. ゲームの「こみゃくゲーム」との違いは?
A. 360° Viewは実写アーカイブ、こみゃくゲームは公式マスコット「こみゃく」を題材にしたミニゲーム。両方とも万博協会/関連事業による公式コンテンツ。
360° Viewで「あの頃」に戻ったあと、次にできること
バーチャル体験で万博熱がぶり返した人は、以下の記事もセットで読むと立体的に楽しめる。
- 万博に行けなかった人へ — アーカイブで振り返る万博2025
- 万博パビリオンのその後 — 解体・移設・保存の全記録
- 万博跡地はどうなる — 夢洲再開発の最新情報2026
- アフター万博で関西が変わる — 2026年以降の注目プロジェクト
- EXPO2025 Futures 完全ガイド — 1周年イベントの全プログラム
- Expo Legacy — What Remains After Osaka Expo 2025
万博を「一度きりの祭り」で終わらせず、レガシーとして残して何度でも楽しむのが、360° Viewが投げかける問いかけでもある。
まとめ — 週末の夜、リングの上から景色を見よう
360° Viewのアクセス方法は、「スマホかPCで https://www.expo2025.or.jp/vr_expo/ を開く」だけ。
これだけで、閉幕して半年が経った大阪・関西万博の会場に瞬間移動できる。12K画質の大屋根リング上から夕暮れの夢洲を見下ろすことも、予約抽選で諦めたパビリオンに入ることも、全部タダで叶う。
開幕1周年の2026年4月13日に公開されたばかりの、できたてのアーカイブ。通信量以外のコストは一切かからない。
万博に行った人は「もう一度」、行けなかった人は「初めて」。週末の夜、家のソファから夢洲の風景を見にいってほしい。