関西はあじさいの名所が全国でもっとも密集するエリアである。京都・奈良の古刹には数百年にわたって手入れされた紫陽花庭園が点在し、大阪・神戸の都市公園は数万株規模のスケールで圧倒する。

この記事では、株数・品種数・料金・アクセスの4軸で関西のあじさい名所10か所を比較し、ランキング形式で紹介する。見頃カレンダーと撮影のコツもまとめたので、2026年のあじさい巡りの参考にしてほしい。


関西あじさい名所TOP10 — 比較一覧

順位名称所在地株数品種数見頃料金(大人)最寄駅
1三室戸寺京都府宇治市約2万株約50種6月上旬〜7月上旬1,000円京阪三室戸駅 徒歩15分
2矢田寺奈良県大和郡山市約1万株約60種6月上旬〜7月上旬700円近鉄郡山駅 バス15分
3長谷寺奈良県桜井市約3,000株約30種6月中旬〜7月上旬500円近鉄長谷寺駅 徒歩15分
4長居植物園大阪市東住吉区約1万株約30種6月上旬〜6月下旬200円地下鉄長居駅 徒歩10分
5神戸市立森林植物園神戸市北区約2万5千株約25種6月中旬〜7月中旬300円神鉄北鈴蘭台駅 バス10分
6岩船寺京都府木津川市約5,000株約30種6月上旬〜7月上旬500円JR加茂駅 バス15分
7勝尾寺大阪府箕面市約3,600株約20種6月上旬〜7月上旬500円北大阪急行千里中央駅 バス30分
8久安寺大阪府池田市約2,500株約20種6月中旬〜7月上旬400円阪急池田駅 バス15分
9舞洲あじさい園大阪市此花区約2万株約30種6月上旬〜6月下旬無料JR桜島駅 バス15分
10善峯寺京都市西京区約3,000株約20種6月中旬〜7月上旬500円JR向日町駅 バス30分

第1位:三室戸寺(京都府宇治市)

関西あじさいの頂点に立つのは宇治の三室戸寺である。約2万株・50品種のあじさいが山の斜面を埋め尽くし、その規模は西日本最大級。6月中旬〜下旬のピーク期には境内全体が青・紫・ピンクのグラデーションに染まる。

名物はハート型のあじさい。ガクアジサイの装飾花がハート形に並ぶ株が数本あり、探しながら歩くのが三室戸寺の楽しみ方の一つとして定着している。

毎年6月の土日にはライトアップが開催され、昼とはまったく異なる幻想的な景色になる。昼間の拝観料1,000円に加えて夜間拝観は別途料金が必要なため、公式サイトで事前に確認しておきたい。

京阪三室戸駅から徒歩15分。坂道があるため歩きやすい靴で訪れること。

三室戸寺あじさい園のイベント詳細はこちら →


第2位:矢田寺(奈良県大和郡山市)

「あじさい寺」の別名を持つ矢田寺は、約1万株・60品種という品種数の多さが最大の特徴である。ガクアジサイ、ヤマアジサイ、コアジサイなど日本原産の品種から西洋アジサイまで、色も形も多様な紫陽花が狭い境内にぎっしりと植えられている。

60品種は今回のランキング10か所中で最多。品種ごとに名札がついているため、あじさいの違いを学びながら歩ける。植物好きにとってはこの品種数だけで訪問する価値がある。

境内には地蔵信仰ゆかりの石仏が点在しており、苔むした石仏とあじさいの組み合わせは奈良ならではの風景。入山料700円。あじさい園の開園期間は例年6月1日〜7月10日ごろとなっている。

矢田寺あじさい園のイベント詳細はこちら →


第3位:長谷寺(奈良県桜井市)

「花の御寺」と呼ばれる長谷寺は、四季を通じて花が絶えない寺院だが、6月のあじさいシーズンは特別だ。約3,000株のあじさいが有名な**399段の登廊(のぼりろう)**の両脇を彩り、石段を上るたびに景色が変わる。

本堂の舞台からは初瀬の山々を一望でき、眼下に広がるあじさいと新緑のパノラマは圧巻。株数では三室戸寺や矢田寺に及ばないが、建築と花の一体感では関西随一と言っていい。

拝観料500円。近鉄長谷寺駅から徒歩15分だが、駅からの道のりにも傾斜があるため所要時間は余裕を見ておくこと。

長谷寺あじさい回廊のイベント詳細はこちら →


第4位:長居植物園(大阪市東住吉区)

都市公園として圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのが長居植物園である。入園料わずか200円で約1万株のあじさいを楽しめる。大阪市内にありながらこの規模は驚異的だ。

近年はアンブレラスカイの演出が話題で、あじさい園の頭上にカラフルな傘が吊るされるインスタレーションが6月限定で設置される。あじさいの花と傘のカラフルな共演は、撮影スポットとして人気が高い。

地下鉄御堂筋線「長居駅」から徒歩10分。長居公園内にはスタジアムやカフェもあり、半日のんびり過ごせる。


第5位:神戸市立森林植物園(神戸市北区)

約2万5千株は今回のランキング中で最大の株数である。六甲山系の標高約400mに位置し、平地よりも開花が1〜2週間遅い。そのため7月上旬〜中旬まであじさいが楽しめるのが大きなメリットだ。

毎年6月中旬〜7月中旬には**「森のあじさい散策」**が開催され、期間中は早朝や夕方の特別開園も行われる。広大な敷地を散策しながら、シチダンカ、ヒメアジサイ、エゾアジサイなど希少品種に出会えるのもこの植物園ならでは。

入園料300円。神鉄北鈴蘭台駅から無料送迎バスが運行される(あじさいまつり期間中)。車の場合は駐車場(500円)がある。


第6位:岩船寺(京都府木津川市)

「花の寺」として知られる岩船寺は、当尾(とうの)の里に佇む山寺である。約5,000株のあじさいが朱色の三重塔(重要文化財)を取り囲む景色は、関西のあじさいシーンを代表する構図の一つ。

観光客の数は三室戸寺や矢田寺に比べて圧倒的に少なく、静かにあじさいを堪能したい人にとっては最適な穴場である。JR加茂駅からコミュニティバスで15分。周辺には浄瑠璃寺もあり、石仏巡りと合わせて半日の散策コースが組める。


第7位:勝尾寺(大阪府箕面市)

勝運の寺として有名な勝尾寺だが、6月はだるまとあじさいの共演が見どころになる。境内の至るところに奉納されただるまの赤と、あじさいの青・紫のコントラストは他の名所にはない独特の景観だ。

約3,600株の規模で、山門から本堂に至る参道沿いにあじさいが並ぶ。北大阪急行千里中央駅からバスで約30分。山の中にあるため涼しく、蒸し暑い梅雨時期のリフレッシュにも最適。


第8位:久安寺(大阪府池田市)

久安寺の名物は**「あじさいうかべ」**。境内の池に色とりどりのあじさいの花を浮かべる催しで、水面に浮かぶ紫陽花の姿は極めてフォトジェニック。例年6月中旬〜7月上旬に実施される。

株数は約2,500株と規模は控えめだが、池とあじさいの演出は久安寺でしか見られない唯一無二の風景だ。阪急池田駅からバス15分。関西花の寺霊場の一つでもある。


第9位:舞洲あじさい園(大阪市此花区)

入場無料で約2万株のあじさいを楽しめる、コストパフォーマンスでは文句なしの1位。大阪湾を背景にあじさいが広がる景色は、山寺のあじさいとはまったく異なる開放感がある。

JR桜島駅からバス15分。舞洲エリアにはバーベキュー場やスポーツ施設もあるため、あじさい鑑賞と合わせてアウトドアを楽しむプランが組みやすい。開園期間は例年6月上旬〜下旬の約1か月間。


第10位:善峯寺(京都市西京区)

善峯寺の白山あじさい苑には約3,000株のあじさいが植えられている。標高約270mの山腹に位置するため、あじさい越しに京都市街を一望できるのが最大の魅力だ。晴れた日には遠く大阪のビル群まで見渡せる。

斜面に沿ってあじさいが段々に配置されているため、立体的な景色を楽しめる。JR向日町駅からバス30分。西国三十三所の札所でもあるため、巡礼と合わせて訪問する参拝者も多い。


見頃カレンダー 2026(目安)

あじさいの開花は気温と降水量に左右されるが、関西の例年の傾向は以下のとおりである。

時期開花状況おすすめ行動
5月下旬早咲き品種が色づき始める長居植物園・舞洲で偵察
6月第1週平地のスポットが見頃入り長居植物園・矢田寺・三室戸寺が狙い目
6月第2週関西全域がピークに向かうどのスポットもハズレなし
6月第3週最盛期三室戸寺ライトアップ、久安寺あじさいうかべ
6月第4週平地のスポットは終盤へ山間部(森林植物園・善峯寺)が見頃継続
7月第1週標高の高い場所のみ見頃森林植物園・長谷寺がラストチャンス
7月第2週ほぼ終了森林植物園の遅咲き品種のみ

撮影のコツ — あじさいをきれいに撮る3つのポイント

1. 雨上がり直後を狙う

あじさいが最も美しいのは雨上がりである。花びらや葉に水滴が残り、色が濃く鮮やかに発色する。曇天の柔らかい光も相まって、直射日光下よりも写真映えする。梅雨時期は「雨だから行かない」ではなく「雨だからこそ行く」が正解だ。

2. マクロ(接写)で花の表情を切り取る

あじさいの装飾花は一つひとつが小さな花の集合体。スマホでもポートレートモードや接写機能を使えば、花弁のグラデーションや水滴のディテールを美しく切り取れる。背景を大きくぼかすことで、1輪のあじさいが主役になる。

3. ローアングルで奥行きを出す

あじさいは腰〜胸の高さに咲くため、立ったまま撮ると見下ろす構図ばかりになりがちだ。しゃがんで花と同じ目線、あるいは花を見上げるアングルで撮影すると、背景に空や建築物が入り込み、一気に奥行きのある写真になる。三室戸寺の斜面や善峯寺の段々苑では特にこのテクニックが効く。


関連記事

あじさいシーズンの関西旅行をさらに充実させるなら、以下の記事も参考にしてほしい。


よくある質問

Q. 関西で一番あじさいの株数が多いスポットはどこ?

神戸市立森林植物園の約2万5千株が最大規模である。次いで三室戸寺と舞洲あじさい園がそれぞれ約2万株。ただし株数だけでなく、品種数や景観との調和も含めた総合力では三室戸寺がトップと判断した。

Q. 7月でもあじさいが見られるスポットはある?

ある。神戸市立森林植物園は標高が高いため7月中旬まで見頃が続く。長谷寺や善峯寺も7月第1週ごろまでは楽しめる。逆に平地の長居植物園や舞洲あじさい園は6月下旬で見頃が終わる傾向にある。

Q. 無料であじさいが見られるスポットは?

舞洲あじさい園は入場無料で約2万株を楽しめる。それ以外のスポットはいずれも入園料・拝観料が必要だが、長居植物園は200円、神戸市立森林植物園は300円と、価格面では十分リーズナブルである。